2022.03.16
新聞ブログ
タバコと歯周病の関係って?
目次
皆さんこんにちは。
事務長で日本TC協会認定トリートメントコーディネーターの福島俊光です。
3月も中旬になり、段々と気温も暖かくなってきて過ごしやすくなってきました。
そんな中、ニューヨーク大学の研究チームが2月22日に学術雑誌『mBio』にて電子タバコと口腔内細菌の関係性の論文を発表しました。
今回はその論文の内容を要約していきたいと思います。
タバコと口腔内細菌の関係
タバコは歯周病悪化させる?
タバコを喫煙することで、肺が悪くなると言うイメージは皆さん持っていると思います。
しかし、それと同時に歯周病も悪化させてしまうのです。
実はタバコの悪い成分や煙はお口の粘膜や歯茎から吸収されてしまいます。
悪い成分が吸収されることで血管が収縮し、歯茎に血液が行き渡らなくなってしまいます。
そうすることで、歯茎に栄養が行き渡らなくなり、歯周ポケットの中で歯周病菌が増殖してしまいます。
タバコは歯周病を気付きづらくさせる!?
患者様が歯周病を自分で認識して歯科医院を受診する動機は、歯がグラグラしてきた事や、歯茎から出血してくるのに気付いたときが多いです。
歯がグラグラしているのは中度から重度なので治療にも時間がかかりますし、元の状態に戻すことはほぼ不可能です。
しかし歯茎からの出血で気付いて歯科医院を受診すると軽度の可能性が高いので、治療にも時間がかからず保存できる可能性が高くなります。
しかしタバコを喫煙していると、血管が収縮されるので歯茎の腫れも出血も抑えられてしまいます。
歯茎の腫れや出血は身体が出す危険信号なので、歯茎の異変に気づいた時は中度から重度になってしまい、場合によっては保存不可能になってしまうことが多くなってしまいます。
また歯周病治療を始めても、血管内の白血球がタバコにより半減してしまうことから免疫が落ち、歯周病の治りも悪く、外科手術を行っても回復が非喫煙者に比べると遅くなってしまいます。
禁煙すると良くなるの?
禁煙をすることでこれらのリスクを低くすることは可能です。
そして歯周病になるリスクも4割減らすことができると言われています。
しかし非喫煙者に比べるとリスクは高く、肺がんでも禁煙してから10年でやっとリスクが1.4倍になるくらい喫煙のリスクは高いものになります。
電子タバコと歯周病の関係
電子タバコも歯周病を悪化させるの?
前置きが長くなってしまいましたが、本題の電子タバコと歯周病の関係についてお話していきます。
電子タバコは紙タバコに比べるとタールが入っていない、ニコチンの量が少ないから安全だ!!とおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし今回のニューヨーク大学の研究では、紙タバコに比べると歯周病のリスクは低くなったが、非喫煙者に比べると歯周病のリスクが高いことが解りました。
歯周病が悪化する原因は?
電子タバコ喫煙者の口腔内細菌では、炎症や感染を引き起こす細菌が非喫煙者に比べると多く存在していることが解りました。
更に口腔内に良いサイトカインの数を減らしてしまうことも解り、その中でもIL-4と言われる抗炎症性のサイトカインの量が大幅に減っており、これは歯周病患者に見られる現象と同じことが解りました。
このことから、電子タバコを喫煙することにより免疫が低下し歯周病が悪化する可能性が高いということが解りました。
また口腔内細菌のバランスが崩れてしまうことで、歯周病以外の疾患のリスクも高めてしまうため、電子タバコは口腔内環境にとってリスクであることが解りました。
まとめ
歯周病の悪化は、お口の中だけではなく糖尿病、痴呆症にも大きく関わってきてしまいます。
また非喫煙者も周りに喫煙者がいることで受動喫煙になってしまい、知らず識らずに健康を害してしまう可能性があります。
喫煙されている方は禁煙が難しいとは思いますが、今一度生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
新浦安ブライト歯科では、歯周病学会認定医も在籍しており、歯周病治療に特化しております。
ぜひこの機会に新浦安ブライト歯科を受診してみてはいかがでしょうか。
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