虫歯が進行し、熱いものがしみるようになったら、虫歯が象牙質の深い所まで進んでしまっている状態です。
この段階では、原則として根の中の歯髄(神経)を除去する「抜髄」が行われます。
抜髄には多くの場合、最低2回の通院が必要です。
治療に先立ってX線写真を撮り、歯髄空の形や根管の太さ、曲がり具合などを確認します。 当院には3Dで骨の中まで立体的にスキャンできるデジタルCTレントゲン機器を導入しておりますので、一般的なレントゲン写真よりも精密な検査を行うことが可能です。
麻酔をして虫歯の部分を完全に削り、歯髄腔の天井を大きく開けて歯髄を露出させます。
また、唾液が多い場合など感染のリスクが高い場合には、感染防止のためにラバーダムというゴムのシートを歯に付けることがあります。
根管長測定器で根管の長さを測り、ファイルが根の先から突き抜けない位置に目印をつけたら「根管の拡大」を行います。
根管の太さや曲がり具合に応じて、器具を変えながら薬を綿密に詰めることができるように綺麗な形に整えます。
その後、根管内を洗って乾かし、消毒作用のあるペースト状の水酸化カルシウム製剤などを根管内に注入し、仮のフタをします。
約1週間後、痛みや歯髄の取り残しが無ければ根管内を洗って乾かし、ガッタパーチャというゴムの様な弾力性のある充填剤を緊密に詰めます。
入口に土台を付け、最終的な被せ物をしたら治療は完了です。
被せ物をしないまま放置したら悪化する
根の治療をして神経を取っているので、痛みがなくなり「土台をしたからもう通わなくてもいいや」と、最終的な被せ物をしないで途中で治療をやめてしまうと大変になります!
土台だけでは弱く、噛み合わせもできないので、せっかく治療した歯がすぐにダメになり、再感染根管治療が必要になります。 手遅れの場合は、せっかく治療をしたのに抜歯になってしまうこともありますので、必ず治療は最後まで受けましょう。
根管治療はどれだけ精密にできるかが重要
歯髄(神経)を除去すれば痛みは無くなりますが「どれだけ綺麗に根管内を拡大できるか?」「どれだけ緊密に充填剤を詰められるか?」が予後を左右する肝となってきます。
自身でも一つの歯自体を見るにも、とても小さくて見にくいのはお判りだと思いますが、それが奥歯で、さらに歯の中の小さな細い根っこの中を詳しく見ないといけないのです。通常、肉眼では熟練した技術が無いと根の先まで綺麗に拡大し、緊密に詰めることは不可能です。
顕微鏡、拡大鏡を用いた精密治療
そこで、当院では拡大鏡を使用し、歯の根を手元で大きく見えるようにして作業を行います。
通常の肉眼で見る作業とは大きく違うので、これにも熟練した技術が必要となりますが、肉眼のままでは見ることが出来ない細かな作業が行えるので非常に有用となります。
器具にも妥協はしない
根管を拡大する細い針の様な器具は通常の歯科医院では「ステンレス」製の物を使用している所が殆どです。しかし、このステンレスの器具は、柔軟性が無く、細い根の管の中を綺麗に拡大したり成形することができません。
そこで、当院では通常は他の医院では「自費治療」の時に使われる高額な「ニッケルチタン製」の器具を惜しみなく使用し、根管の精密な拡大形成処置が行えるようにしているのです。
このように、感染を抑え込むために消毒や充填剤の詰め方には完璧さが求められます。そのため、根の治療は歯科の中でも非常に難しい治療とされています。
根の先の病巣は手術することも
歯が痛まなくなった後に治療をせずに放置し続けると、感染が進んで根尖性歯周炎を起こすことがあります。
歯の中から行う根の治療は「歯内療法」と呼ばれますが、根の先の病巣は歯の外から手術する「外科的歯内療法」が適していることもあります。
通常の根の治療では根っこの先の病巣まで届かない場合や、被せ物が外せない、または(高額な被せ物を入れた場合などで)外したくない場合です。
この場合最も一般的な術式は「歯根端切除術」です。 局所麻酔後に歯茎を切開して骨を露出させ、炎症や感染のある組織を根の先(根尖)と一緒に切除します。
根尖切断面の根管を完全に封鎖し、歯茎を縫合したら終了です。
病巣があった場合は数か月で骨に覆われ、治っていきますが、術後も定期的なチェックは必要です。
難しい根管治療や外科的な処置もお任せ下さい
新浦安ブライト歯科には各専門分野に精通した歯科医師が多数在籍しております。
「この根の治療は難しい」と言われた場合や「昔治したはずの根がまた感染してしまった」という場合も、お気軽に当院へご相談下さい。